高齢者を狙う詐欺の手口と対策、被害者の9割近くが65歳以上という現実

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「うちの親に限って詐欺には引っかからない」——そう思っている家族ほど、被害に気づくのが遅くなります。警察庁の統計によると、2025年1年間の特殊詐欺の認知件数は27,758件、被害総額は約1,414億円にのぼります。そして被害者の9割近くが65歳以上の高齢者です。
詐欺師はプロです。「絶対だまされない」という自信こそ、最大の弱点になります。手口を知り、家族が一緒に対策を取ることが、被害を防ぐ最も確実な方法です。
代表的な詐欺の手口
オレオレ詐欺・預貯金詐欺
息子や孫を名乗る電話で「会社のお金を使い込んでしまった」「事故を起こして示談金が必要だ」などと告げ、現金を要求してきます。声が違うことを指摘されると「風邪をひいている」「携帯を変えた」などと言い訳します。さらに弁護士や上司を名乗る別の人物が電話に出て、話をリアルに仕上げる「劇場型」の手口が多くなっています。
預貯金詐欺は警察官や銀行員を名乗り、「あなたの口座が犯罪に使われている」「キャッシュカードを保護する必要がある」などと言って、自宅を訪問しカードをだまし取ります。本物の警察官や銀行員が暗証番号を聞いたり、カードを預かったりすることは絶対にありません。
還付金詐欺
市区町村の職員、税務署、年金事務所などを名乗り、「医療費の払い戻しがあります」「保険料の過払い金を返金します」などと電話してきます。「手続きの期限が今日までです」と焦らせ、「すぐにATMに向かって携帯電話で話しながら操作してください」と指示します。しかしATMでお金を受け取ることはできません。操作させられているのは、自分の口座から詐欺師の口座への送金です。
携帯電話で通話しながらATMを操作している高齢者を見かけた場合は、声をかけて確認してあげることが被害防止につながります。
架空料金請求詐欺
「有料サイトの未払い料金があります」「このまま放置すると裁判になります」などと記載されたハガキやメール、SMSが届きます。連絡すると、電子マネーやコンビニ払いでの即時支払いを求めてきます。裁判所や事業者が電子マネーの購入を求めることはありません。心当たりのない請求は、連絡せず無視することが鉄則です。
キャッシュカード詐欺盗
警察官や金融機関の職員を名乗り、「あなたのカードが不正利用されている、至急確認が必要です」と電話してきます。暗証番号を聞き出した後、「職員が取りに伺います」と言って自宅を訪問し、封筒にカードを入れさせて持ち去ります。封筒の中身をすり替える手口も横行しています。カードを他人に渡すことは絶対にしてはいけません。
なぜ高齢者が狙われるのか
加齢による判断力・注意力の低下に加え、「急いで対応しなければ」というプレッシャーのかかる場面では冷静な判断がより難しくなります。詐欺師はそのことを熟知しており、「今日中に」「誰にも話してはいけない」と意図的に焦らせ、家族に相談する時間を奪います。
また、警察庁の調査では、特殊詐欺の被害に遭った高齢者の8割以上が「自分は被害に遭わないと思っていた」と答えています。「自分には関係ない」という油断こそ、詐欺師が狙っている心理状態です。
今日からできる具体的な対策
固定電話を留守番電話に設定する
特殊詐欺の大半は電話から始まります。固定電話を常時留守番電話に設定しておくだけで、詐欺師との直接の会話を避けられます。本当に用事のある相手はメッセージを残してくれます。在宅中でも留守電にしておくことが、最も手軽で効果的な対策の一つです。
国際電話番号からの着信を止める
特殊詐欺に使われる電話番号の約7割が「+1」「+44」などから始まる国際電話番号です。固定電話への国際電話は「国際電話不取扱受付センター」に申し込むことで無料で停止できます。普段、海外と電話のやり取りがない方には特に有効な対策です。
「電話でお金の話」を家族のルールにする
「電話でお金の話が出たら、必ず一度電話を切って家族に連絡する」というルールを家族間で共有しておきましょう。詐欺師は「家族に話してはいけない」と言いますが、まさにそれが怪しいサインです。どんなに急かされても、一度電話を切ることが被害防止の鉄則です。
定期的な連絡で孤立を防ぐ
別居している親への週1回の電話や月1回の訪問が、詐欺の早期発見につながります。日常的に会話していると、「最近変な電話がかかってきた」という話が自然に出てくるものです。また、家族と頻繁に連絡を取り合っている高齢者は、詐欺師も「家族に話される」と判断して標的にしにくくなります。
不審に思ったらすぐに相談する
「これは詐欺かもしれない」と思ったら、一人で抱え込まずにすぐ相談しましょう。相談窓口は次のとおりです。
| 相談先 | 連絡先 | 内容 |
|---|---|---|
| 警察相談専用窓口 | #9110 | 詐欺の疑い・不審な電話の相談 |
| 消費者ホットライン | 188(いやや) | 消費生活・架空請求などの相談 |
| 最寄りの警察署 | 各都道府県警察 | 直接持ち込みの相談・国際電話停止手続き |
被害に遭ってしまったときは
もし詐欺にあったかもしれないと気づいた場合は、すぐに最寄りの警察署か#9110に連絡してください。送金してしまった場合でも、銀行への連絡が早ければ振込先の口座を凍結できる場合があります。「恥ずかしい」「家族に怒られる」という気持ちから相談を先延ばしにすることが、被害を広げる最大の原因です。
詐欺は被害者の落ち度ではありません。プロの詐欺師を相手にしていることを忘れず、一人で抱え込まずにすぐ周囲に話してください。


